熱構造解析

①熱解析による最適なヒータの仕様、配置位置の検証によって、加熱冷却プレートの表面温度を改善、
使用加熱面積を増やし、生産効率の向上による設備の数量の削減に貢献。

②熱負荷によるポリカーボネート薄板の熱弾性変形解析

③カートリッジヒータの取付隙間よるヒータ内部発熱体温度への影響。

④セラミックヒータ発熱パターン形状改善による表面温度バラツキの改善

この解析の目的は、セラミックヒーターの表面温度をより均一性を得ることです。セラミックヒータの 加熱素子はセラミック板の裏面に印刷したパターンになります。熱は発熱領域の中心に蓄積する傾向があるため、現状均一形状のパターンのヒータは400℃時表面中央部とヒータ周辺最大34℃の温度偏差がありました。電気ジュール熱を結合した解析を行うことで、発熱パターンの形状(抵抗)の変化するジュール熱の変化を利用して、表面温度をより均一出来るように、熱損失の多いエリア(周辺)にジュール熱を多く、熱損失が少ないエリアにジュール熱を少なく出すことで、パターンの形状を改善しました。改善されたパターンでは表面温度分布偏差の半分以下の15℃になります。

⑤省エネための加熱ブロックの熱特性と形状の最適化

加熱ユニットの熱特性と形状の最適化解析することで、部品を最大限まで軽量化し、昇温速度、室内の均熱大幅改善

⑥誘導加熱の解析

交流の電流がコイルを通過すると、隣接する物体に渦電流を誘導する磁場が発生します。対象物に生成された渦電流は、ジュール加熱原理と同様の熱を生成します。以下は誘導加熱器磁界と熱解析の例です。

電磁解析の磁束密度の結果が熱解の温度結果と一致することがわかります。温度は、誘導電流が最も密度が高いプレートの中央で最も高くなります。

例:水を上記の誘導加熱器で加熱した場合の磁界と温度の解析結果。温度と磁気ポテンシャルの関係を確認することができます。

⑦ヒータブロックの熱解析に温度制御用PIDコントローラの導入

比例-積分-微分(PID)コントローラは、フィードバックを採用した制御ループメカニズムであり、産業用制御システムやその他のさまざまな連続変調制御を必要とするアプリケーションにで広く使用されています。この解析では、PIDコントローラの比例成分のみを使用したブロックヒータ温度制御の簡単な例を示します。

ヒーターブロック表面の目標温度は300°C(573.15 K)に設定していいます。下のグラフから、設定目標温度と現在温度の誤差が小さくなることに連れて(現在温度が設定温度に近づいていること)ヒータの出力(Power)は小さくなるがことわかります。また、解析結果によって、ヒータの電力出力の確認、目標温度までに必要な電力量を推測することもできます。


PIDコントローラは、流量、速度、流体温度などの解析時さまざまなエジニアリング変数を制御するために実装できます。

⑧粒子シミュレーション

離散要素法(DEM)は、様々な産業用途において相互作用する粒子の挙動をシミュレーションするためのツールです。さまざまな状況における粒子の形状、サイズ、パッキングの影響をモデル化することができます。

この例では、粒子間の熱伝達に対する圧力の影響を調査しています。グラフから、粒子を押さえると粒子間の接触が増えるため、熱の移動が速くなることがわかります。

容器の底と側面から粒子に熱を加える。

⑨1Dモデルの熱解析の実例

1Dシミュレーションは、計算の複雑さを減らし、特に設計や分析の初期段階で、3Dシミュレーションと比較してシミュレーション結果をより迅速に得ることができる利点があります。
1Dシミュレーションは、一次元解析が十分であるシナリオや計算リソースが限られている場合に、システムのダイナミクスと相互作用を理解するための効率的なアプローチを提供します。

上記の実例では、1Dシミュレーションを使用してPID制御ヒーターブロック(前回の投稿で)を再構築しました。
3Dモデルの計算時間は180秒で、1Dモデルの計算時間は0.15秒でした。

⑩燃焼についての解析

この解析の目的は、燃焼の化学反応が環境に与える影響(温度、圧力など)を調べることです。解析モデルとしてはドデカン(化学式:C12H26がノズルを介して液滴の形で燃焼器(ボックス)に注入され、可燃性蒸気に蒸発、燃焼した際の温度の解析のために構築しています。

 

上図は解析結果は、燃焼反応による火炎と燃焼ボックス内の温度分布を示しています。